重度・重複障害の医療 2
からだを横にさせて診ると後頭部から大きなコブが出ています。
また腰の辺からもさらに大きな袋状の肉魂が出ています。
両親の現在のいちばんの問題はこの体重の重くなった子どもをどのようにして風呂に入れてやろうかということで、奉仕グループの若者の来たときに手伝ってもらって入浴させているということです。
これはアーノルド・キアリという先天異常の病気で頭と腰からの袋は脳脊髄膜が骨の奇形を伴って外部に露出したものなのです。
このような例をみるとまずこの障害児では先天奇形のために病気の症状がすべてを圧倒してしまって、日常生活の不便、不自然をひきおこしているのだとひとは考えます。
たしかにそのような点はあるでしょう。
しかし同じ病気であっても、身体がずっと小さくて動きや身辺処理の点で、またさらに性格や行動の面でもまったく異なっている場合もあります。
発育が正常になることは望めなくても、幼いときに手術してこのような袋が消失している場合には状況はかなり異なっていたはずです。
要するに表面からみた「異常性」はかならずしもその子どもの精神発達の異常性を示すものではないし、またその子どもの将来の発達の見通しをそのまま規定しているものでもありません。