重度・重複障害の医療
重度・重複障害を前にするとその「異常さ」に圧倒されて、初めて接したひとは驚いてしまいます。
手足のフルエ、表情の固さ、身体の不均衡な発育、これらのあらわれは普通日常わたしたちの見たことのない異常な出来事のように思われるのです。
かなり以前のことになりますが、ある重症心身障害児の医療施設を見学した年輩の特殊学校の先生が、その見学後に「あのような子どもたちが居るのをはじめて知った」と感に耐えぬように言われたことが印象的でした。
たしかに障害児にかかわりのある医師でさえ重度・重複障害の実態を知っているとは限りません。
それはひとつびとつの病気や病人としては知っていても、生活の場の特殊事情には不案内だからです。
福祉事務所の職員と一緒に巡回診療で家庭訪問をすると次のような光景に出会います。
奥の部屋に通されて入ってみると、80キロは優に越すと思われるひとが寝ています。
頭がひどく大きいのです。
年は20歳です。
そばに座っている両親が気の毒なくらいに小さくみえます。